【WSET Level3】ローヌ川流域南部、グルナッシュとシャトーヌフ・デュ・パプ

WSET Level3

ローヌ川流域南部といえば、13種類のブドウをブレンドできるシャトーヌフ・デュ・パプ。
JSAでは必死に13種類を覚えましたが(いや、私は覚えることができませんでしたが)
WSETでは13種類の品種名は出てきません(13種類を覚える必要はない)。
それよりも、多様性のあるワインスタイルになる理由、栽培環境や醸造スタイル(ブレンド)がキーになっています。
ローヌ川流域南部の気候と栽培と土壌の特徴。
メイン品種、グルナッシュの特性を知る。

なぜこの土壌でグルナッシュがよく育つのか。
シラーとムールヴェードルをブレンドに使う理由。
この辺りをしっかりと押さえることが重要なようです。

シャトーヌフ・デュ・パプは、価格も様々で、当たり外れが激しいワインだなぁと思っていましたが、WSETでシャトーヌフ・デュ・パプを勉強して、その理由がわかり、納得しました。
美味しいシャトヌフ、飲みたいですね!

ローヌ川流域南部、グルナッシュとシャトーヌフ・デュ・パプ

ローヌ川流域南部

気候・栽培環境(自然要因)

  • 地中海性気候:冬は穏やか、夏は温暖で乾燥している。→干ばつが問題になる
  • 優良な土壌は石の多い土壌
  • ローヌ渓谷から地中海に吹き抜ける乾燥したミストラルという冷たい強風の北風が吹く

【ミストラルの良い点】
風により畑の風通しが良くな理、畑を乾燥させる。これにより、カビ病などのリスクが減らせる。

【ミストラルの悪い点】
冷たい北風のため、ワイン畑の気温が下がってしまう。
強い北風のため、ブドウの葉や新梢が折れてしまう。それによりブドウの成熟に影響が出て、収穫量が下がってしまう。

【ミストラル対策】

  • ブドウ畑は平坦な地にあることが多いので、防風林を植えて風からブドウ畑を守る
  • ブドウの樹を低く仕立てて、風からの抵抗を少なくする。
  • さらにこの土地は石の多い土壌のため、低く仕立てることでブドウに地面からの反射熱を与えることができる。これはミストラルの冷たい北風によるブドウ畑の気温低下を助けている

その他栽培におけるポイント「ブッシュバイン」

強い日差しに対応するために:
日射量が多いため、ブドウが日焼けを起こすリスクがある。そのため、ブドウの樹をブッシュバインに仕立て、キャノピーマネジメントにより葉を調整し、ブドウの実を葉で日陰になるように調整し、日焼けのリスクを防いでいる。

主要品種

グルナッシュ(Grenache)

夏は温暖なため、晩熟なグルナッシュがこの土地で完熟することができる。
また、グルナッシュは干ばつに強い品種。
凝縮感のあるスパイシーな赤系果実の風味を呈するワインをつくる。
気温が暑すぎると、焼いたジャムのような果実風味になる。

シラー(Syrah)

ムールヴェードル(Mourvedre)

シャトー・ヌフ・デュ・パプ

主体はグルナッシュ。強いアルコールを持ち、赤系果実(クランベリーやラズベリー)、白コショウの風味を持つ、フルボディの辛口の赤ワイン。

なぜ、シャトーヌフ・デュ・パプでグルナッシュなのか

この土地は、ローヌ南部の、温暖な地中海性気候で、夏は雨が少なく乾燥している。
グルナッシュは晩熟な品種で、成熟に熱量を必要とするため、温暖な地中海性気候に向いている。
また、グルナッシュは干魃に強いため、水が多くなくても育ちやすい。
さらに、この場所に多くみられるギャレと呼ばれる大きな石の多い土壌が、日中の太陽熱を蓄えて夜間にぶどう樹に戻し、ぶどうの成熟を助けるので、グルナッシュが完熟することができる

多種多様なワインスタイル

ブドウ栽培地は平坦だが、斜面の向きの僅かな違いや、土壌タイプが様々で、13種類をブレンドできるため、多種多様なワインスタイルが生まれる。

ブレンドによるワインスタイル

シャトーヌフ・デュ・パプは、シラー、ムールヴェードルをブレンドすることが多い。
グルナッシュは果皮が薄いので、色が淡く、タンニンも柔らかいワインを造る
これに対し、シラーは果皮が厚いので、グルナッシュのワインに、色やタンニンを補強する。ムールヴェードルも、色が濃く、タンニンも多いワインを生み出すので、色やタンニンを補強するとともに、完熟した場合は、黒系果実の風味や、猟鳥類、肉類の香りを加えることができる。

<練習問題>

グルナッシュは晩熟のぶどう品種なので、温暖から高温の気候が適している。
このワインの産地であるシャトーヌフ・デュ・パプは、温暖なので、グルナッシュに適しているといえる。
さらに、この場所に多くみられるギャレと呼ばれる大きな石の多い土壌が、日中の太陽熱を蓄えて夜間にぶどう樹に戻し、ぶどうの成熟を助けるので、グルナッシュが完熟することができる。
降雨量は少ないが、グルナッシュは干ばつに強い品種なので、この点でもこの土地に適している。
グルナッシュは果皮が薄いので、色が淡く、タンニンも柔らかいワインを造る
これに対し、シラーは果皮が厚いので、グルナッシュのワインに、色やタンニンを補強する。
ムールヴェードルも、色が濃く、タンニンも多いワインを生み出すので、色やタンニンを補強するとともに、完熟した場合は、黒系果実の風味や、猟鳥類、肉類の香りを加えることができる。
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