ブルゴーニュのシャルドネ(Chardonnay)は、
上質なシャルドネを造るお手本的な存在。
優良畑グランクリュ(Grand Cru)やプルミエクリュ(Premier Cru)と、ベーシックな村名レベルの畑の違い、ワインスタイルの違いを比較して書けるようにしましょう。
また、上質シャルドネの基本的な醸造スタイルをきっちりとマスターしておきましょう。
ブルゴーニュの白、シャルドネ
ブルゴーニュの気候
北部のシャブリは冷涼な大陸性気候、南にいくにつれて温和な大陸性気候になる。
気候によるリスク
初夏の開花と秋の収穫時期に、雨で妨害されることがある。
シャブリに関しては、5月に入って起こる春霜や、夏の雹など。
優良な畑がやっていること(人的要因)
畑は丘陵の東・南向きに位置し、日照を受けやすい
冷涼な気候なので、日照量を確保することが重要。
優良畑は、南、南東向きの斜面に位置する。
→日照量を平地よりも得やすいので、ぶどうが良く熟すことができる。
畑は丘陵の「中腹」
偏西風から保護される
斜面上部に比べて、中腹のほうが、偏西風から保護されるので、ぶどうがよく熟すことができる。 丘陵の上部は、標高が上がるために、冷涼となり、風にさらされやすくなるので、丘陵中腹よりもぶどうが熟しにくくなってしまう。
痩せて水はけのよい土壌
丘陵の中腹の土壌は、平地よりも浅く痩せていて、水はけもよいので、高品質のぶどう栽培にむいている。
丘陵の中腹は平地よりも霜の被害を受けにくい
冷涼な気候で、霜の被害を受けることがあるが、冷たい空気は下にたまるので、丘陵の中腹のほうが平地よりも霜の被害を受けにくく、収穫量を守ることができる。
垣根仕立て
葉っぱが重ならないように垂直に仕立てる。果房の周りの葉っぱもカットしてある→葉だけでなく、果実にも日が当たるように
シャルドネは、萌芽が早く、熟するのも早い。
熱量を必要としないので、冷涼なエリアでの栽培に向いている。
もしこの品種を暖かい気候に持っていくと、夏の盛りに成熟を迎えてしまう。
→風味が十分に熟していない、アロマや酸の無いブドウになってしまう。
上質なシャルドネが、醸造でやっているテクニック
シャルドネは、ニュートラル品種の代表。上質なシャルドネは、醸造のテクニックでいろいろな複雑さを出す。
スキンコンタクトはやらない:香りの成分が出ないので、やらない。
清澄化:果汁に含まれる固形物を少量残す場合もある→複雑さや濃厚さを出すこともあるから
オークの小樽の新樽での発酵、熟成:
オーク小樽の新樽で、キュヴェの一部あるいは全部の発酵、熟成を行う。新樽がバニラなどの風味をワインにもたらし、ワインに複雑さを与える。また、樽熟成中に微量の酸素と接触するため、ナッツなどのより複雑な風味が加わる。
マロラクティック発酵:
酸の口当たりをまろやかにする。また、バターのような風味をもたらし、ワインの風味に複雑さを与える。
細かい澱とともに熟成:
澱は死んだ酵母の細胞などで構成される。(細胞壁から溶出する物質により)口当たりがクリーミーでまろやかになる。また、酵母の香りなど、ワインに複雑な風味を与えることができる。
熟成:樽熟成を行う。シャブリは大樽、穏やかな酸化が起こり、複雑さが増す。コート・ドールはオーク樽。樽からのトースト風味。
練習問題
北部のシャブリは冷涼な大陸性気候、南にいくにつれて温和な大陸性気候になる。初夏の開花と秋の収穫時の雨:初夏の開花と秋の収穫時に雨が多く、特にピノ・ノワールは灰色かび病の被害を受けやすい。春霜:特にシャブリ地区では5月になっても春霜が起き、春霜により収穫量に大きく影響してしまう。夏の雹:夏の雹も問題で、かなりの収穫物を破壊してしまう。