アルザス地方
フランスのワイン山地としては珍しく、ほとんどのワインが単一品種名がボトルに表示される。
ワインは辛口、甘口、オフドライで造られるアロマティックな白ワインが中心。
アルザスは地質学的に劇的な歴史を持っており、ブドウ栽培地の土壌は非常に多様性に富んでいる。
気候とブドウ栽培
自然要因
冷涼から温和な大陸性気候
冷涼な気候は酸味を維持する。
乾燥している
高いブドウ糖度が保証される。
ヴォージュ山脈が雨混じりの偏西風からブドウ畑を守っている
リスク
夏は晴れの日が多い、秋は乾燥している。
ブドウは非常に高い糖度に達するが、夏は灌漑のリスクがある。
(人的リスク)
収穫期には人手不足に直面する。小さな畑で、さまざまな品種を植えているから。
優良畑の条件(人的要因)
南や南東向きの急斜面に畑を持つ
優良な畑は日照を最大限に受けられるように南東向きにある。
ブドウの樹は、放射熱を受けやすいように低く仕立てられる。
これより質の落ちるブドウ畑は、ヴォージュ山脈と、ライン川の間の平地に位置する。平地では, 冷気が下に溜まり霜害を引き起こさないようにブドウの樹は高く仕立てられているのに対し, 斜面に位置する良質な畑は霜害のリスクが低いため, 地面からの放射熱を受け易いように, ブドウの樹は低く仕立てられている。冷涼から温和なアルザスの気候では, 地面からの放射熱の増加はブドウの成熟を助ける。
アルザスでは日当たりが良く乾燥した条件が揃うため、有機栽培やバイオダイナミック農法が広く行われている
ワインの醸造とワインスタイル
果実の香りを活かした醸造
アロマティックな品種が多いため、プライマリー(果実の香り)を生かした醸造方法が選ばれる。
一般的(近代的な)セラーではステンレスタンクが一般的。→発酵時の温度調整が容易になるため。
伝統的な生産者は100年以上経っているオークの旧樽でワインを発酵させる。(酒石の層が樽を覆っているため、オークの影響は受けない)
基本的にMLFは一般には純粋な果実の香りを消してしまうため行われない。(この方法を選択する生産者もいる)
品種
リースリング
ゲヴェルツトラミネール
ライチバラ
皮に色があるの
ピノ・グリ
ミュスカ
ワイン法
ブドウの糖分の成熟度によって決められる格付け2つ
ヴァンダンジュ・タルディヴ(VT)
「遅摘み」を意味する。
4種の貴品種のいずれかのみを使用できる(リースリング、ゲヴェルツ、ピノ・グリ、ミュスカ)
一定の糖度をもつ。
パスリヤージュで糖度を上げたものや、多少貴腐の影響を受けたワインも一部使われる
セレクション・ドゥ・グラン・ノーブル(SGN)
4種の貴品種のみ使用できる。
品種により一定の糖度を持たなければいけない
最低糖度レベルはVTよりも高く、通常は貴腐によって達成される