【WSET Level3】なぜボルドーではブレンドするのか?がポイント。ボルドー地方

WSET Level3

ボルドー地方は、左岸、右岸で造られている品種が違います。
なぜ左岸、右岸で造っているブドウが異なるのか、なぜ複数品種を造るのか
そしてボルドーでは複数品種をブレンドすることが多いが、なぜブレンドするのか

ここをしっかりと説明できるようになることがポイントのようです。

ボルドー地方

ボルドー地方の気候とブドウ栽培

メキシコ湾の恩恵を受ける温和な海洋性気候。
暖流のおかげでブドウの栽培期間が長い。
沿岸砂丘とランドの森により、強い大西洋の風から守られている。
春の春霜の影響はほぼなく、秋は10月頃まで成熟が続く。

気候リスク

大量の降水と湿気をもたらす。
年間を通じて雨が降るため、開花や結実が妨げられる。果実の腐敗が進み、収穫時にブドウの風味が失われるという被害も生じる。

プレミアム品質な生産者が降雨のリスクのために栽培でやっていること

ボルドーでは、トップ生産者は、雨のリスクから以下のような対策を行う。

・未熟な果実や品質の悪いブドウは使用しない。選果を何重にもしっかりと行う。
・キャノピーマネジメント。葉っぱの調整を行い、なるべく風通しを良くする。
・過剰な水を排水するために排水管を地中に埋めたり、草を植えたりして草の根が過剰な水分を吸ってもらうようにする。

なぜボルドーの赤は複数品種をブレンドするのか?

気候による栽培リスクが高いため複数品種を栽培する。

ボルドーは、温和な海洋性気候でブドウの生育期間が長いが、年間を通じて雨が降るので、開花や結実が妨げられるリスクがあり、一度の霜や大雨でブドウが全滅してしまう事態も起こる。そのため、開花・結実・収穫時期の違う品種を複数栽培し、ブレンドにより互いの品種を補い味と品質のバランスを保つ 

ボルドーの赤ワインに使用される「主要品種3つ」とその主な「産地」 「品種の特徴」と各品種が「ブレンドに与える役割」

カベルネ・ソーヴィニョン

ガロンヌ川とジロンヌ川の左岸、主にグラーヴ、ペサック・レオニャン、オー・メドックなどで造られる。この地域は、砂利質で水捌けが良い土壌のため、粘土質土壌に比べて地温が高くなりやすい。晩熟のカベルネ・ソーヴィニヨンが熟しやすい。
果皮の厚い品種。果皮の中に色素やタンニンが多く含まれる。晩熟型の品種。
ブレンドに、ワインに濃い色素やそしてカシスなどの黒い果実の風味、豊富なタンニンを与える。

 

メルロー

上質なワインを生み出すメルローは、サン・テミリオン、ポムロールなど、ドルドーニュ川の右岸で造られる。この地域は粘土質で保水能力がある。砂利質に比べて温度が低い土壌になる。
また、サン・テミリオンやポムロールは、左岸に比べると、海から離れて内陸に位置するため、暖流の影響は少なく、左岸よりも涼しくなるため、カベルネ・ソーヴィニョンよりも早熟なメルロが向いている。
メルロは、カベルネ・ソーヴィニヨンに比べるとタンニンが少なく、糖度は高くなるので、ブレンドにアルコールをもたらし、カベルネ・ソーヴィニヨンのタンニンを和らげる。またプラムなどの赤い果実の風味をもたらす。

カベルネ・フラン

主に、サン・テミリオンなどのドルドーニュ川右岸で造られる。カベルネ・ソーヴィニヨンと同様に、水はけのよい温かい土壌を好むが、カベルネ・ソーヴィニヨンほどに晩熟ではないので、左岸よりも少し涼しい右岸の粘土石灰質の土壌で熟すことができる。
カベルネ・ソーヴィニヨンCSに比べるとボディに欠け、タンニンは少ないが、ワインに爽やかな果実と花の香りや風味を与える。

プレミアム品質な生産者が行う醸造のオプション

選果:未熟な果実や品質の悪いブドウは使用しない。選果を何重にもしっかりと行う。
徐梗・破砕:カベルネ・ソーヴィニョンはそもそもタンニンが多い品種なので、果梗を使う必要がないため、徐梗・破砕を行う。
発酵前のマセラシオン:するケースもあるがしないケースもある。
アルコール発酵:果皮が厚いので、抽出が十分に行われるように高めの温度で発酵される。
発酵後のマセラシオン:するケースもあるがしないケースもあるが、格付シャトーはやる。タンニンをさらに引き出すため。
樽熟成:風味の複雑さを加えながら、タンニンを和らげる。225ℓのバリックが使われることが主。

上質の辛口白ワイン

ボルドーでは赤ワインがあまりに有名なので、影を潜めがちですが、上質の辛口白ワインも少数ながら生産している。

ぺサックレオニャン、グラーヴで造られている、ソーヴィニョン・ブラン(SB)。
このSBは、ロワールやニュージーランドなどで造られるものとは、醸造方法が大きく異なる。
そのポイントは以下2つ。
・SBとセミヨンをブレンドする
・新しいオーク樽を使って発酵・熟成される
です。

忘れてはいけない「ソーテルヌ」の貴腐ワイン

最高級の貴腐ワインを生み出している、ソーテルヌ。
なぜ高級貴腐ワインが生まれるのか?
貴腐ワインを生産している地域、その地域で貴腐が発生する条件をおさえておきます。
・ソーテルヌ(Sauternes)、バルサック(Barsac)
・ガロンヌ川とその支流であるシロン川の河岸
・秋には川の流れから霧が発生し、貴腐を生じさせる理想的な環境を作り出す

そして貴腐ワインについては、テイスティングコメントがすらすら書けるようにしておきましょう。

練習問題

ボルドーは、北緯45度近辺という高緯度に位置するが、大西洋を流れる暖流(メキシコ湾流)の影響で温和な海洋性気候である。しかし、年によっては寒かったり、大西洋の影響で降水量も変化する。このため一つの品種に頼りすぎると霜や開花期の悪天候、カビ病などの被害を受けるリスクが高いので、開花期や成熟期の異なる品種を選ぶ。
香りの特徴:香りは強く,アプリコットや柑橘類の皮などの貴腐の影響を受けた第一アロマに、トーストやバニラなどのオーク樽由来の 第二アロマ、そして干し草やはちみつなどの第三アロマを感じる。
甘味と酸味のレベル:甘口で酸味は高い。
ボルドーでは、セミヨンなどとブレンドされ、発酵・熟成にオーク樽が使用されることが多い。
オーク樽により、ヴァニラ、クローブなどの複雑さが加わり、ブレンドによりボディとコクを高めたワインスタイルとなる。
ロワールでは、SBの第一アロマを大切にするため、単一品種で、通常は発酵に不活性容器を使用する。新鮮でフルーティなワインスタイルとなる。
ボルドーでは、セミヨンなどとブレンドされ、発酵・熟成にオーク樽が使用されることが多い。
オーク樽により、ヴァニラ、クローブなどの複雑さが加わり、ブレンドによりボディとコクを高めたワインスタイルとなる。
ロワールでは、SBの第一アロマを大切にするため、単一品種で、通常は発酵に不活性容器を使用する。新鮮でフルーティなワインスタイルとなる。
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